痛々しさもおぼえるほどに
Rory Gallagher
「The Big Guns: The Very Best of Rory Gallagher」
ボロボロというか剥げ剥げのストラトがトレードマークだった
ロリー・ギャラガーですが、一応聴いてはいたけど当時は好みのギタリストではありませんでした。深く濃く洒落っ気のないブルース・ロックというものよりも分かりやすいROCKやBEATを求めていたので、その生々しさが却ってわずらわしかったんでしょう。しかし、やはり自分が年齢を重ねるにつれてディープにブルースを聴いたりするにつれ非常に響くんですな、この音も声も。
自分にとってリアルさに欠けるんで
ジミヘンの凄さは分かっていても別に心酔するようなことはなかったのですが、ロリー・ギャラガーにはエキサイティングだけではなく心底心が奪われるような音があります。さすが”魂のギタリスト”と言われるゆえんでしょうけれど。そして、ライブが身上のとおりベスト盤であるこのアルバムにも数曲がライブテイクで入ってます。ベスト盤にライブテイクが入るのも非常に珍しいことではないでしょうか?。しかも、キッチリしたスタジオ盤の枠にはまらない解き放ちっぷりを誇るギターが非常に素晴らしい。特に
”Messin' With The Kid”の出だしなんかはもうカッチョイイです。ミスタッチまでカッコ良く聞こえてしまうからまた不思議なものです。ああ、本当に存命中にライブを見たかったあと思わせる数少ないアーティストですね。
真性ロリー・ギャラガーファンには後ろ指さされるかもしれませんが、アッシが一番好きで一番そのギターが胸に響くのが
”Bad Penny”(アルバムでは「TOP PRIORITY」)ですね。その物悲しいギターの響きはベタであっても本当に泣きのギターという形容詞がピッタリはまってしまいます。ガツンとではなくてこういう音って本当にストラトならではなんでしょうね(ね、BMさん)。
独り酒にエンドレスで流したら....ああ、悲し過ぎます。