UFOが流行りのMETALに色気を出した頃??
UFO 「Misdemeanor」
Tommy McClendonと言ってわかるのか
Atomic Tommy Mと言ってわかるのか、それはわからないけれど、
UFOの「Misdemeanor」でギター弾いてた日系(ホントか?)人ギタリストでその頃はAtomic Tommy Mと紹介されていた。でも、アルバムでの楽曲のクレジットはTommy McClendonなんだよなあ。以前に
SOULMOTORの記事を書いた時に紹介したのを覚えている人がいるだろうか?。なんて書きながら、僕自身がこの「Misdemeanor」について後日書くといったきりすっかり忘れてしまっていたのだけれど(笑)。
Paul Chapmanがちょっと地味(といいつつこの人僕も大好きなBich弾いてましたね)なリード・ギタリストとして頑張っていた(神の後釜ではちと荷が重かったか)ところに、どうしたことかちょっと派手な頭と大分派手なギターでその座を奪ってしまった見知らぬ若者として登場したのがAtomic Tommy Mその人。
神脱退後も沈みかけながらも
Phil Moggと
Pete Way(どう考えてもステージング目立ち過ぎ)の2大巨頭(ワガママ放題)でなんとか続けてたUFOもPaul Chapman期が今いちパッとせず、ついにPete Wayがもっとワンマンな場所を求めて
Fastway、Waystedとさすらい出た時期に出戻り
Paul Raymondとともになんとか若返りを狙って出したアルバムである。
確かにPaul Chapman(結局出戻るが)の頃は神在籍時のような緊張感あふれる佳作はないものの、ある一定のレベルにある安心して聴けるハードロックだった。但し、
NWOBHMを過ぎて
LA METAL到来後の派手なHeavy Metalの流れに乗りたかったのか、その安定路線を捨て、このAtomic Tommy Mを入れて見た目も多少若返りでの頑張りだったのだが....。
確かにアルバムの中の楽曲自体はそこらの若輩者には出来ないような落ち着きに溢れたハードロックに今風(当時でいう)のMetalギターを重ねた仕上がりにはなっている。なってはいるが、強烈なサウンドメイカー不在という部分はいかんともしがたく落ち着き反面個性や爆発力のない地味〜な出来なのだ。
このAtomic Tommy Mもテクもあるし速くも弾けるのだが、そんなのがゴロゴロいるこの時代のダンゴ状態から一人抜け出せる程のギターは生み出せてない。ま、初のレコーディングのようなものだからしょうがないとも言えるが、同じ日系ギタリストとして脚光を浴びた
Jake E Leeがその登場からいきなり
”Bark At The Moon”でインパクトを植え付けたことを考えるとちょっとつらかったかもしれない。
しかし、その脚光の差はOzzyとUFOという所属による部分も無きにしもあらずで、そのギターはバッキングもソロもさることながら、
”The Only Ones”等のアルペジオなんかのセンスの良い部分が見え隠れしているのだ。曲作りも10曲中6曲に参加してるところなんか大したものである。
”One Heart”のような今までのUFOにはないエッセンスも提供しているし。でもでも、所詮はUFOカラーになってしまうのがあの王様Phil Moggの歌なのだから、この呪縛からはどうあがいても抜け出す事ができないし、逆を言えばバックがどう頑張ろうがUFOの枠からははみ出すことが出来ないのである。そして、この時代そこには魔力のかけらも残ってなかったのだ。
例えば他バンドとかOzzyのギターとかで世に出てればその後の流れも変わったかもしれないという風に考えると、UFOで世に出たことが既にAtomic Tommy Mのつらいところだったのかもしれない。(同じように僕自身も大好きだけれどなぜか恵まれない状況に常にいるのがTormeである)
追記:
”Blue”がやっぱり一番良いかな?。いや、結構良いか(笑)。