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by biturbo93
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雨の日には車をみがいて
愛読書......と思う。
五木 寛之 
「雨の日には車をみがいて」


 ことあるごとに読み返す、とか、思い出したように読み返す。僕にとっての愛読書とはこんな感じのものだ。そして、それに値する本とはいくつかの雑誌と小説なのだけれど、その中の一冊が五木 寛之の「雨の日には車をみがいて」。今日は音楽の話とはちょっと離れてこの本の話。

 僕は基本的に一人の作家に集中的にのめり込む方でもないし、そんなに小説だけを読む方ではない。どちらかというと、好きな傾向はあるが雑誌からエッセイからルポから小説からと目にとまったものを区分け無く読みあさるタイプである。そんな読み方の中で五木 寛之という小説家は殆ど顔を出さないし、家にも多分この小説しか置いてない。いくつかの小説を読んだ記憶はあるがそんなに自分が好むタイプの小説ではないと思っていたが、それらの小説の内容とは逆に見た目は非常に知的で素敵なタイプだと思っていた、というか今でも思っている。

 元来、物心ついた時からクルマ好きだった僕は多分に漏れず小学校高学年に大ブームだったスーパーカー熱(同時に銀座NOWもね)を経験して、そこからさらにひねくれた外車マニアになっていった。特に国産車は排ガス規制でつまらなくなっていった時期なのでなおさら外車(それも主流からちょい外れた系)にのめりこんでいった。そんな思いもあって後年クルマを持った際にそんな欧州ボロ車に何度も泣かされることになるのだけれど、80年代の後半にちょっと音楽がつまらなくなりかけた頃に本屋で出会ったのがこの本なのである。五木 寛之という時点で少しためらいはあったのだけれど、目次を見たとたんに”シムカ”、”アルファロメオ”、”バイエルン”、”グロッサー”等という言葉が目についたので即レジに飛んでいき、夢中でそれこそ一瞬の間に読み終えた記憶がある。

 映画や小説での小道具として、”クルマ”や”音楽”が使われる事があるが、特に”クルマ”を効果的に使った小説というのは本当に数少ない。そんな中で日本の小説(短編)でこんなに欧州車を素敵に書いてみせたのは後にも先にもこの本だけだと思う。しかも、全ての短編がほろ苦い恋愛小説としても出色の出来になっている。本当に読んでて気持ちが洗われる(なにしろクルマ好きなもので......)とはこのことだ、というくらいの爽やかさなのだ。そして、その爽やかさを感じた最初の気持ちを後になって何回読み返してもその都度思い起こさせてくれる、というかその時点にリセットされるようなそんな自分にとっての希有な存在の小説なのである。
 それも、初めて読んだ時の自分自身の境遇と今の自分自身の境遇とが理想に敵ってようが敵ってまいがその時代の気持ちを持たせてくれるそんな本。全く哲学的でも示唆的でもないただの恋愛小説なのだけれど、その難解さのかけらもない部分と、そういう形で受け止められるように隙間を作ってシンプルに描ける小説家の凄さが伝わってくるそんな本。

 多分、今後の僕自身がどこでどんな境遇になっても常に側においておく本だと思う。

 全く音楽に関係ないけれど、久々に読み返して書きたくなったので書いてみました。

 そんな本を読みながらのBGMはGeorge Bensonでした。(ガンガンのRockは似合わない)





 しかし....UKBeatってやっぱ反応薄いんだな。



 
by biturbo93 | 2006-10-05 01:06 | other
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