いやあ、良いギタリストですよ。
The Cars「The Cars」
今日は
The Carsのレフティ、
Elliot Eastonの事を少々。
派手なギタリストではないので、ギタリスト特集なんかでは絶対に登場してこない人だけれど、やっぱりリスナーはちゃんとしたもので、彼の事を認めてるリスナーは結構多い。そう、The Carsはただのキャンディロックバンドじゃあないのだ。天才
Ric Ocasekを初めとして才能あるインテリポップバンドなのである。その中でもちょっとしたフレーズやバッキングで本当にスパイスのように効くギターを効果的(コレ重要)に聞かせてくれるElliot Eastonは非常に存在価値が高かったはず。
そんなElliot Eastonは、デビューアルバムから非常にセンスの良いギターを聴かせてくれている。
”Just What I Needed”とか変拍子(これ、カーズに多い)にのっかる単純なバッキングと、短くも歌うソロフレーズが本当に効果的で素晴らしい。カーズというバンドは、この後チャート常連となっていくが、既にデビューの時から楽曲もアレンジもセンスもほぼ完成の域に達していて、それがまた結果的に器用貧乏で終わることなくストレートなポップソングとして昇華されて(聞こえる)いるところが素晴らしいのだ。理屈にこだわることなく聴く人間にも非常にお洒落なポップソング(かなりヒネリは強いが)に聞こえ、マニアが聴いたら、その奥に隠れたアレンジの妙に納得させられるといった具合に。
もちろん、天才Ric Ocasekの曲の凄さもあるが、その中でのElliot Eastonの功績も非常に高い。
そんな、彼はチャートソングの中にあってあまり重視されないギターソロ(というか間奏)において、ギターソロのメロディまでをでしゃばることなく印象づける才能に秀でていた。上手くはなくてもギターを弾く人間にとっては歪みを効果的に付けたり無くしたりという部分だけでもニンマリさせられてしまう。
最初の頃はアームをそんなに使わなかったけれど、途中から
”Tonight She Comes”のように凄くアームを上手く取入れたソロも弾くようになっていった。
彼の場合は、特にテクニシャンでもないけれど、そのセンスが非常に優れているのだ。とっても、アタマに残るしそれでいてやり過ぎない(ココも重要)ギターが素晴らしすぎる。次の機会には、彼の印象的なギターが聴ける曲をいくつかピックアップしてまとめて書いてみたいと思っている。
スタジオミュージシャンのように味気ないギターでもないので、本当にThe Carsというバンドにはうってつけのギタリストだったのだ。
(Dean Guitarと言えば未だにこの人を思い出してしまう...)
去年、再活動しだしたNew Carsには興味ないけど、願わくばあの往年のラインナップでのThe Carsをもう一度見てみたかった。(嗚呼、ベンジャミン)