うむむむむ.....。
Steve Stevens 「Memory Crash」
今年出た
Steve Stevensのソロ・アルバムがこの
「Memory Crash」。非常に難しいハードインストというチャレンジ溢れる作品ではあるのだけれど......。
まず、彼(Steve Stevens)の魅力というか存在価値について考えてみると、脚光を浴びる事になった
Billy Idolのサポートが殆ど全てだったような気がする。あの
Generation X(ジェネレーションX)から何を思ったかヒットチャート界へ飛び込んで見事世間に名が知れたBilly Idolの横でトリッキーなプレイとそのイカした容姿にて、ギタリスト界やロック・ファンの心を捉えた彼。主役を食うほどの脇役。確かにその言い回しはカッコイイ。そう、カッコイイのである。但し、それがほぼ全てと言っていいほどの彼の存在価値ではなかったか?。その後も色々とひょっこり顔を出したり、日本某シンガーをサポートしてみたり、Billy Idolと復縁してみたりと活動はあったとしても登場時以上のインパクトは決してなかったし淡々とキャリアを積むこともなかったとも思うのだ。残念ながら。
そして今、往年の勇姿を再現するようなハードインスト(実はあまりいただけない歌入りもちょっとある)作品を作ってしまったSteve Stevens。実力を持っていながらも、音楽の神様に気に入られなかったギタリストと思わざるを得ない。僕自身が同じような境遇に思えるギタリストとして
Bernie Torme(おお、トーメ!!)が居る。まあ、Bernie Tormeは一般的にSteve Stevensほどの登場インパクトもなかった替わりに地道にライブ活動やアルバム作りをしていて、ブルージィさもあって僕自身はかなり好きなんだけれども。
いや、正直ハードインストは難しい。というより、ギタリスト主体のアルバム自体が非常に難しいものだと思う。Jeff Beck大先生のように先陣を切ってある種のスタイルを築いてしまえば別だが、ギターマニア以外に受け入れられるようなアルバムなんて殆ど作るのは不可能ではないだろうか?。そこにチャレンジした根性はもちろん褒め称えたいとは思うが、Steve Stevensというギタリストはココ一発で見せるトリッキープレイ以外に彼らしいプレイ、Steve Stevensならではのプレイというのがどう考えても頭に浮かばないし、アルバムを聴いた今でさえこれがSteve Stevensのアルバムと言われても、「ああ、そうなのか」という言葉しか出てこない。だから、ギターインストは難しいのである。しかも、ハードなギター。ううむ、困りものだ。しかもしかも、往年のカッコ良さではないのにあの姿でジャケットに収まってるし。時間が止まってるのか?。(いや、好きだったんですけどねえ、彼が)
願わくば、誰かカッチョイイ歌い手の横でココ一発のフレーズを弾く姿を期待したい。