気骨溢れるロッカーなんです。
実をいえば、biturbo93は音楽の中でもバラード好きです。ちなみに我が家では奥様は全くROCKに縁が無く、ピアノ系(リストとか?それこそ私が詳しくない)か良くてもバラードまで、というところなので音楽としての接点はバラードしかありません。ということで、家のコンポでROCKが鳴るときは非常に少ないのです(かわりにiTunesでガンガン鳴ってる)。デヴィッド・フォスターとかバラードオムニバスとか。ま、バラードは好きなので苦じゃないのですが、たまにはビシっと聞きたいときもある。
そんなかなり低い確率の中、イイ曲とのお墨付きが出ているドン・ヘンリーの「The Boys Of Summer」。正真正銘の名曲です。80年代中盤のMTVではかなりのヘヴィローテーションでビデオも流れていたので、目にした耳にしたタイミングも多いはず。ピックアップの荷台で歌うドン・ヘンリーや、髪型キメてドラムを叩く男の子(かなり小さいはずだけど、やっぱりアチラの子は幼くてもカッコイイ)を。
イーグルス時代の代表曲(時代の代表曲ともいえる)ホテルカリフォリニアでも反骨精神溢れるロッカーらしい歌詞でならしたドン・ヘンリーですが、この「The Boys Of Summer」でも、ラブソングとロッカー宣言というダブルミーニングで並々ならぬ気合の入り方を表現しているようです(ようです、というのはその内容をどっかの本でみたから:英語は得意ではない)。しかも、アルバムタイトルも「Building the Perfect Beast」。ビーストですよ、気合入ってます。その歌詞内容は別としても、非常にセンスのいいビートの効いた曲です。スネアの音も印象的だし、そのスネアのキレが実にいい。良いメロディももちろん大事だけれどリズム隊がイイと曲自体がひきしまるのなんの。リズムマシンにまかせた曲は破綻もないけど心に訴える起伏もないので、アッシは好きではありません。特にドラムではこの曲のように前ノリではないけど、気持ちスネアが突っ込み気味で小気味良い感じが好み。そういう意味では日本で言えばBOOWYが、後から出てきたバンド(G●AYとかラルクなんとかとかその他いろいろ)が追いつけも追い越せも出来ないノリ(ビート)を聞かせてたように(ボロが出るのであまり邦楽には触れたくないが)。
それに合わせて、ドン・ヘンリーの声。やっぱりいつ聞いても素晴らしい。これまでの中でも特に声について書いてることが多いですが、声にはホントに惚れます。ジャンルがなんだろうが声に惚れて聞いてしまうアーティストや曲はホントに多いです。その声に加えてわりとぶっきらぼうとも歌いっぱなしともとれるドン・ヘンリーの声は本当にこの曲にマッチしてます。初めて聞いたときは鳥肌ものでしたよ、マジメな話。こんなカッコイイ曲作れるんだあって感じで。イントロのリム叩く音聞いただけですぐにこの曲だと分かる印象的な始まり方に渋いギターが重なって、もう頭の中はプロモそのもののモノクロの世界。
とにかく、80年代とは言わず今まで聞いた曲の中でベスト10というのを作ると絶対にハズせない佳作です。ちなみにアルバム全体とおして素晴らしいアルバムなので、一家に一枚絶対に損しません。
「次回はアルバムで聞く、ということ」