いやいや、本当に音楽性が全く一貫してなくて節操がないのが非常に恥ずかしいですな。今日はトーメ。
TORME 「Back to Babylon」
以前に
GIRLについて
ココに書きました。って、GIRLの話じゃなくてもともと
DEF LEPPARDの話だったんだけど、脱線しまして(笑)ね。いつものことながら、ははは。そのGIRLにいた
フィル・コリンは
ピート・ウイリスの後釜としてデフ・レパードのリード・ギタリストで今も頑張っております。
スティーヴ・クラーク亡き後も
ヴィヴィアン・キャンベルを従えて元GIRLという形容詞なんて全く必要ない中心メンバーとしての確固たる位置を築いているのに対し、同僚だった
フィリップ・ルイス(Philip Lewis)はGIRL後には流浪の民と化しましたがこの
トーメもそのひとつ。ま、元々顔だけでこの業界渡り歩いているようなもので、ヴォーカリストとしての実力は悲しいかな伴わないからしょうがないでしょう。最後に辿り着いた
LAガンズも、GN'Rをアクセルとともに作った
トレーシー・ガンズのバンドですがお互いに中途半端な才能を持ち寄って中途半端な作品しか作れずメインストリームに躍り出ることはなかったわけです。同時期に
真打GN'Rと
対抗ファスター・プッシーキャットという同じ音楽性を持つ両巨頭が居てしまったのは確かに状況としてツラかったのですが、こいつらが居なかったらトップになれたかというとそれは無理でしょう。所詮、才能とセンスに難があったわけですし、結果として運もなかったということなんです。
真打と対抗についてはもろストライクなので、いつの日かじっくりと書ける時がくるかな?と思っています。ああ、やっぱり話が本題とすぐずれていきますねえ。
そのフィリップ・ルイスと、
Gillan(イアン・ギランのバンド)に居た
バーニー・トーメ(Bernie Torme)が一緒に組んだのが
トーメ(TORME)です。これはホントにパーマネントなバンドのつもりだったのか、ソロプロジェクトのつもりだったのかは今となっては分かりませんが、ヴィジュアルも考慮したのかフィリップ・ルイスと組んだ度胸は買いますよ、トーメ君という印象です。この時期ハードロック系(どっちかというとヘヴィメタ)アルバムはある程度出せば売れるような状況だったこともあり、こんなニッチなバンドも誕生してしまったわけです。どう考えても売れたとは思えませんが。(こんなことを書きつつも買ってしまっている自分がいるわけなんです、笑)
バーニー・トーメというギタリストはわりとギランに居るうちから通には注目されていたギタリストです。ギランは
イアン・ギラン・バンドでプログレ・ハードというかクロスオーバーな音楽に飽き飽きしたのか、はたまた、あの
ディープ・パープルという誰にでも分かりやすいハードロック・バンドを経てきた過去がそうさせたのか、ヘヴィメタ時代到来にのったのか、玄人好みの音楽(イアン・ギラン・バンド=お、これも機会を改めて書こう)からハードロックへイアン・ギランが移行した形だったんですね。そこに居たのがバーニー・トーメ。そのイアン・ギランの横で弾いてたというただそれだけで
リッチー・ブラックモアと比較されるような見方もされましたがタイプ的には全然違いますね。どっちかというとバーニー・トーメはギンギン弾きまくりますが、リッチー大先生のようにきちっとしてない。リッチーおじさんて同年代(3代ギタリスト等)に比べると即興要素が非常に少なくきちきちと破綻しないタイプだと思ってるんですよ。そのため、非常に分かりやすいと。まあ、気分にはムラがあるようですがね。それに対してバーニー・トーメというのは当時若さ全開ではじけまくり、という印象でした。自身のバンドでもないくせに突き抜けちゃうジミヘンチックなやんちゃっこなイメージですよ。確かにウマイのかもしれないけど、演奏自身もなんかトリッキーというよりはムチャクチャな域に近い。でも、あの若いの(オジサンと組んでたから目立ったのか?)はなんかスゲエんじゃないか?という感じで少なからず(いや、ほんとに少ないと思いますが)注目されてたワケなんですよ。ま、そんな輩がオジサンに中でおさまるハズもなく、脱退ー>ランディ亡きオジーをちょっとサポートー>
Electric Gypsiesと、あんまフィリップ・ルイスと変わらんですな。
そんなバーニー・トーメ自身の名前を冠したバンドなんで、どれほど凄いギターサウンドが聞けるんだ?とワクワクして針を落とした(この頃まだLPでしたね)ら、ありゃりゃ?。
第一印象、
やっすいなあ。
安いんです。アルバムジャケットのデザインも安っぽければ、その中のサウンドも非常に安い。全くお金がかかってないのがありありと分かってしまうようなアルバムです。おいおい、インディーズかい?これ。いや、インディーズだろ?。しかも、バリバリのサウンドを期待してた気分に肩すかしを食らわすキャッチーな1曲目。確かにギターはアーム、タッピング多用のストらとサウンドながら、サビコーラスが非常に耳につく
”All Around The World”に引き続き、これもキャッチーな
”Star”。サウンドでつまづき、求めてた楽曲との差につまづきながら1枚をとおして聞くも、すぐに封印してしまいました。そう、この後でアッシとバーニー・トーメとの接点はありませんでしたが、なんと最近ふとタワーでこのCDを売っているのを発見して裏切られたはずなのになぜか購入。そして、iPodに入れて聞いてみると......
結構イイんですよ、これが。サウンドに関してはリマスターとかがかかってないみたいなので良くはなってないですが、なんか昔に比べて音がハッキリしてる気がするのと、変に期待感を無しで聞くと楽曲もギターもカッコイイんですね。あ、ヴォーカルはまんまですけど。ジミヘンフリークの面目躍如といったギターが破綻しない程度に散りばめられてて、単純にカッコイイと思えてしまうんです。
”Burning Bridges”とか、
”Here I Go”とかほんと、普通にカッコイイ。以前は感じなかったギターのノリを感じてしまう。LAガンズになんか行かないでコレを続けた方が売れたんじゃないか?
”Hollywood Tease”(GIRL唯一の知名曲)をずーっと歌う必要なかったんじゃないか?と改めて好印象なアルバムに変わりました。っていうかずーっと聞いてる(笑)。いや、このアルバムが今CDでちゃんと買えること自体にビックリですよ、ほんと。
無理を承知でそれ以上の欲を言えば、どっかでリマスターして出して〜。
そうそう、そういえば彼もアイリッシュ。なぜかアイルランドに惹かれるなあ。