やはり(だからこそ?)、
Van Halenは面白い。
Sammyさんは聴けるようになったけど、どっちかと聴かれれば未だに迷わず
David Lee Roth派です。
アッシがDLR派である一番強い要素は、リアルタイムだったから、ということに尽きるんじゃあないかと思います。衝撃的なデビューだったのは、
EddieのギターはもちろんVan Halenというバンドに対してのインパクトであり、その中には変テコシャウトしまくりのDavid Lee Rothの存在も大きかった...んだろうなあって今になってつくづく感じますね。あの1stアルバムをリアルに体現してしまった、という凄さは
Sammy Hagar時代のVan Halenから聴き始めてDavid Lee Roth時代に遡って聴くという事とはどうしても違ってしまうんじゃあないか、と。どうしたって同じような感じを
Montroseには受けなかったワケですし。
で、Sammyを聴けるようになってから、その歌唱力もまあこれで良いかな?くらいの軽い気持ちでいたのだけれど決してDaveの歌には勝てないなあと切実に思ってしまったのも事実です。ワリとSammyさんの方が歌は良いんじゃないの?という意見も聴いたりするし実際そんなコメントをいただいたり(ありがとうございます)もしましたが、そこはDaveに軍配があがるでしょうと思ってるんです。正直言って歌唱力というレベルになると2人ともとても実力派とかではないので50歩100歩ですね。その上2人とも決して
”声”が良くない、というかハッキリ言って悪い(笑)と言ってしまえるレベルです。世の他ヴォーカリストの中では。じゃあ、どの部分でDaveに軍配が上がるかと言うとそれは表現力の差です。表現力の差によって結果的にDaveの方が良く(上手くも)聴こえてしまうのです、アッシの場合は。ただ、普通に耳にするだけだったら”声”として馴染みやすいのはSammyさんの方かもしれませんね。
ただ”声”とは別にSammyさんの方が上手く聴こえる要因の一つに、David Lee Roth時代に比べてわりと曲自体がメロディアスだ、ってことがあるんですよね。
”Why Can't This Be Love”にしたって
”Dreams”にしたって他の曲にしたってそうでしょう。その上にヴォーカルがのっかってるのでそんなに表現力が強くなくとも”上手く”聴こえてしまう、と。そこにはコードの動きがありますから。
逆にDaveの時代はリフはカッチョ良くてもわりと一本調子な曲が多いんですよね。
”Ain't Talkin' 'Bout Love”とか
”Runnin' With The Devil”とか。それなのに、一本調子ではなく非常に抑揚がある(かのように)と聴かせてくれるDaveはやっぱり明らかに上手だと思ってしまいます(メロディアスに聴こえるワケじゃあありませんよ)。例えばわりとPopになってからの曲にしたって、Sammyさんが歌う
”Jump”や
”Panama”はどうしたってDaveほどの表現力が伝わってきません。
”Somebody Get Me a Doctor”や
”Ice Cream Man”といった初期の曲なんてちょっとSammyさんじゃあ無理でしょう。決して悪いヴォーカリストではないのだけれど...。
じゃあ逆にDaveがメロディアスな歌を歌うと逆に表現力でのカヴァーが出来ないので歌がつまらなくなってしまうんじゃあ?と思ってしまいますか?。そこは同じ曲を歌ってるワケではないので比較が違いますが、例えば
”California Girls”や
”Just A Gigolo”での表現力を聴けばもう分かります。
”達者”なんですね、やっぱりDaveは。
その達者さとハードな曲の刷り込みによって、初期しか聴けなかったところをなぜか最近聴けるようになったところで
Sammyさんも悪くはないかな?と思ってるレベルが実情なんです。