テクがあるだけじゃあ出来ぬ。
Led Zeppelin 「Led Zeppelin II」
いやあ、もうここらへんはRockで言うとスタンダードとも言える部類なので今さらではあるけれど、この
”Whole Lotta Love”のギターソロは本当にカッコイイ。特にバッキングのブレイクと組み合わされる部分はこういったアレンジの元祖ともいうべきで、ギターを際立たせるその発想はさすがギタリストというより名アレンジャー、名コンポーザーとして知られるJimmy Pageならではの素晴らしさである。テクニック等とかけ離れてギターのカッコ良さを作りだすその才能はやはりこの人の凄さではないだろうか。そのだいぶ後に出てくるテクニック偏重主義のギターは魅せ技としては凄いのかもしれないが、楽曲全体をつまらなくした原因でもあるので、そのテクニックに頼らない(頼れないのだけれど(笑))ギターだからこそのアイデアに溢れていたのかもしれない。
そういう彼の数々あるZep名曲群の中でもちろん
”Stairway To Heaven”は言葉も出ない素晴らしさであるのだけれど、この名曲
”Whole Lotta Love”もその当時では短いが今の時代では十分に長い5分34秒の中盤からウネウネする部分がその後のブレイク&ギターソロを際立たせる部分なんか本当に良く練られたハードロックである。そしてそのフレーズ自体も凄く耳に残る素晴らしいフレーズだ。本当に後の
”Rock And Roll”のようなやっつけ感は全くなく完成度が高い。しかも、”Stairway To Heaven”よりも2作も前でこの凄さ。
Jeff Beckが悔しがる気持ちも分かるなあ。しかし、このバンドの凄さは作曲・編曲能力としてのJimmy Pageの存在がゆえだから、このリズム隊をもしJeff Beck大先生が手にしたとしてもこういった楽曲達は生まれえなかっただろう。
あと、やっぱりこの人のナルシズムも含めてそのスターっぷりが本当に素敵すぎ。今、こういうギタリストが本当にいないのだよなあ。