分かりやすいHRに適度なPOP感、これこれ。
Riot 「Fire Down Under」
最初の
「Rock City」や2枚目の
「NARITA」ほどのインパクトは無かったけれども、これはこれで良作なハードロックを紡ぎ出してる、実質
Guy Speranza最後のアルバムである
「Fire Down Under」。
相変わらず曲に関しては
Mark Reale主導での作られ方をしているが、前2作に比べてさらにハードさを増しているのは冒頭のスピードチューン
”Swords & Tequila”のイントロを聞いただけで明白である。この時期ハードロック低迷期(
NWOBHM以前)に
Van Halenと肩を並べて頑張っていたRiotは、Eddieという新世代のギターヒーローやDaveのような派手なフロントマンを擁しているわけではなく愚直さを突き詰めるように分かりやすく口ずさむことまで出来てしまうようなキャッチー&コンパクトな楽曲(=曲の良さ)を打ち出していたが、やはり時代の影響かこのアルバムではちょっとばかしハード色が強い(この後にHeavy Metalな変貌を遂げるのはあるとしても)。
その単純明快なリフ中心主義である楽曲は成り立ちから言うと(語弊があるかもしれねいのだけれど)
UFOの曲と似ている(まあ、
Scorpionsも同じようなもの)。もちろん、ギターが2本ということも共通項(ま、一つは鍵盤兼務だけれど:笑)としてあることはある。但し”並”であることをわきまえたような部分もいじらしい(笑)。
ま、そうはいってもやはり特徴的なのはGuy Speranzaの声。特にハードロックながらうるさいだけではないとの印象は彼のその声によるものである。ダミ声でも叫ぶでもなく、メロディーの良さをそのキレイな声でかぶせるのは非常にRiot的ともいえる雰囲気で、特にキャッチーさの重要なファクターだし、次のアルバムから新しいヴォーカルを迎えてあまりにも特徴のないただのハードロックバンドに成り下がってしまうことから見ても良くわかる。うーん、このまま居て欲しかったあ.....。
印象的な曲は前日のトップナンバーの他には
”Outlaw”なんて実にRiotらしさの濃い佳曲であるし、この曲がトップでも十分イケた
”Don't Bring Me Down”やNWOBHM風味な3連リフの
”Altar Of The King”に疾走ナンバーの
”Run For Your Life”と、今聞いてもその出来およびメロディーに注目してしまう力作目白押しである。ハードロックファン必聴盤。
いやあ、全くもって初期Riotはあまりにも過小評価されてるバンドではないのかな?。個人的にはGuy Speranza脱退後は全く興味なくなってますが。