インパクトがあった
Judas Priest 「Screaming for Vengeance」
このアルバムが出たのは.........
当時、
NWOBHMが盛り上がって、
Iron Maiden、Saxon、Def Leppardといった新人バンドが勢いづいてさらにその後を狙うインディーズバンドもレーベルも盛り上がってきた時にその勢いを吸い込むようにベテランの域に入りそうな70年代から低迷シーンで頑張ってきた中堅バンドが凄い勢いで息をふきかえしてきた。Hard Rockが受け入れられる喜びを思い切り吐き出すように、それまでのアルバムと1枚も2枚も皮の剥けた素晴らしいアルバムを出してきたのだ。
Scorpionsが
「Blackout」、
AC/DCが
「Back In Black」、
Acceptが
「Restless & Wild」(”Fast As A Shark”!)、
Black SabbathがDioを迎えて
「Heaven And Hell」とその前のアルバムよりもダントツに素晴らしくヘヴィなのがドッカンドッカン出てきて(ちょっと出た時期にズレはあるかもしれないけどシーン的には大体そんな雰囲気(笑))健全ぶりをアピールしていた時期にこのJudas Priestも超弩級のヤツを出してきた。
なんせ、その前のアルバムが
「Point of Entry」(アメリカでは結構売れたらしい)で、かなりヘヴィさが無くなってハードロックファンを失望させていただけにこの
「Screaming for Vengeance」はオープニングの
”The Hellion”からもう本当にズッシリとして自身にあふれた音がぐいぐいとせまってくる。こんなにもヘヴィさを予想を超えて出してくるとは思わなかったリスナーは完全にその世界に酔って、後にメタル・ゴッドと呼ばれるまでのきっかけを作ったと言えると思う。
そう、冗談抜きでこのアルバムを聴いた時は失望しかけていたJudas Priestがこんなに王道を示したことでビックラこいたし、その心意気に大いに感銘を受けたのだ。それまでのJudasのアルバムはこのアルバムが出るための助走であったとまで思わされるようなそのヘヴィネスな音(ギターがかなり遠い音だけれど)が嬉しかった。
まあ、その後も結局このアルバムを超えるアルバムにはならなかったくらいの傑作をこの時点で作ってしまったわけなのだけれども。
僕自身、特にジューダスファンではないけれど、このアルバムだけはいつ聴いてもその重さと勢い(早さではない)に感心するし、バンドとしても一番脂がのっていると思わされる快作なのである。(本当に捨て曲も一切ない)
これをリアルタイムで聴かされたハードロックファンはみんなビックリしたのだ。