約束どおりだ。
The Police
「Outlandos d'Amour」
やはり、このアルバムはパンキッシュで弾けるトップナンバーの
”Next To You”で決まりでしょう。
The Clashと同時期の活動のため、初期ではどうしても比べられてしまう感じになるけれど、この演奏力を同列で語ってはThe Clashにとっては可哀想な事になってしまうし、そのパンキッシュな姿勢を同列で語ってしまうことはそれこそ
Joe Strummerに失礼な話であろう。しかし、両バンドに確実に共通しているのは
Sex Pistolsが現れてなかったらどちらも存在し得なかったというところであって、この両バンドが世に出なかったらその後のシーンも大分違ったものになっていただろうと思うと、やはりピストルズの凄さを思い知らされる事になるワケだ。
弾け跳ぶ”Next To You”で幕を開けるこのファースト・アルバムも実はリアルではなく2枚目からの聴き直しで聴いたのが初体験だ。そう、名曲
”Roxanne”を含むこの1枚目はこちらの国では殆どのリスナーが
”Message in a Bottle”で衝撃を受けて
「Reggatta de Blanc」(白いレガッタ)を聴いてからその後で聴いたという流れなのではないだろうか?。僕も完璧にそのセンだった。
まあ”Message in a Bottle”の衝撃は別に残すとして、この1枚目ではぶちかました”Next To You”の次はいきなりスローなレゲエのリズムで
”So Lonely”が始まり、この曲の中でリズムがコロコロ変わりビート感溢れるスネアも含めてこのバンドがそこらへんの勢いで世に出てしまったパンクバンド達とは全然格の違う部分を見せつけてくれる。なんせ、この時点で彼等は30手前だったのだから。
”Roxanne”や
”Can't Stand Losing You”という名曲を含むこのアルバムがこの時期パンクにうさんくささを感じていた英Rockファンにも新鮮さをもって聴かれていたのも事実だろうが、僕自身の周りではThe Clashや
The Damnedを尊敬する真性パンカーには敬遠されていたのもホントウのことである。確かにパンクに影響を受けつつレゲエのリズムをテクニックで取り込み自身のものとしてアルバムを作り上げた彼等(The Police)であるけれど、その姿勢がパンクでないことはやはり隠せなかったのだと思う。
まあ、本物のパンクでなかったからこそこうやって今でも全世界的に取り上げられ復活するほどのバンドなのだろうけれど......。
でも、そんな彼等であっても荒削りな面が聴ける貴重な音源がこの「Outlandos d'Amour」でしょう。