堂々とした下手さだ。

もうね。バンドのギタリストはこうじゃなきゃいかんのよ。ギターを構えた立ち姿のカッコ良さ。もう、これがあれば十分。しかも、自らのテクニックがある無しなんて関係なく堂々とコードをかき鳴らす。
The Clashのおとこ
Mick Jonesここにあり。ギタリストの功績?そんなもん、黒の
LesPaul Customをあんなにもカッコイイギターだとパンクスに印象付けただけで十分。その存在感に比べれば、そこらへんの長髪でのけぞって速弾きしておたくギターマニアの声援を受けてるギタリスト(あ、そんなのでも好きなギタリストも中にはいますけど...ははは)なんて、全くカッパの屁、問題外。カッコ良ければ全て良し。OK。

まあ、Mick Jonesと言えば、
”White Riot”の荒々しい(というかかなり雑な)ギターによって、それ以降のパンクス達にも、これでバンドやっていいんだあという強烈な印象を与え、
”Remote Control”みたいなキレが悪いコードっぷりでさらにその印象に磨きをかけて、それを強引に納得させてしまう力技のみのギタリストという認識かもしれないが、逆にその単純なコード弾きっぱなし(カッティングではない)がこんなにもカッコ良くなってしまうのかということを
”London Calling”では示してくれたし、カヴァーではあるけれど
”I Fought The Law”では鳴らせっぱなしのカッコ良さも教えてくれた。そして常に、長々したギターソロなんてなくたってカッコイイ曲は作れるんだということも教えてくれていた。
確かにカリスマ
Joe Strummerの傾倒するスカやレゲエのリズムを上手く表現出来なくて、後から来たThe Policeにおかぶを奪われてその座(パンク+レゲエ)を見事にすくわれてしまった形になってしまった(もちろん、リズム隊に大きな責任があるけど....でも、
”This Is Radio Clash”なんかではだいぶ頑張ってたけれど)。しかし、元々The Clashというバンド自体が訴えることはあってもチャートを制するようなバンドになろうとも思ってなかったし、カリスマJoe Strummerと横並び出来るギタリストだってミックの他には居るはずもなかったはずだ。
そんなMick Jonesのギターで個人的に気に入ってるのは上記の何はなくとも”London Calling”と、
”Complete Control”かな?。非常にミックらしくて。
(ギターには関係ないけれど曲では
”Rock The Casbah”も好き)
The Clash 「The Clash」