猫も杓子もスルーネック、アクティブサーキットな時代だった。

いやあ、未だに造ってたんだなあ、
Alembic Guitar(アレンビック)。
70年代後半にフュージョンやクロスオーバーのブームとともにスルーネックや電池を内蔵するアクティブサーキットのブームが来てその先端(値段も)となったアレンビックは、ギターよりも
Stanley Clarke(スタンリー・クラーク)等のベースの方が有名だったかもしれない。但し日本では
渡辺香津美が使っていたギターでかなりのプレイヤーが羨望の眼差しで見つめていたことと思う。(個人的にはその後で生み出したTurnerの方が好み)
しかし、今の多様な時代からは想像も付かないことだが殆どのメーカーで同じようなコンセプトのギターをオリジナルとして出していて、楽器屋ではスルーネックがあふれるような恐るべき光景となっていた。今から思えば懐かしいけれど。
スタジオミュージシャン寄りだったAlembicに比べてもう一つの雄はロック畑からも人気があった
B.C.Rich(廉価版のB.C.Ricoもあった)が君臨していた。まあ、どちらも30〜40万以上もしたアマチュアから見れば高嶺の花だったが、B.C.Richは
Aerosmithも使ってたし、国内では
BOWWOWも使ってて非常にカッコ良く思えたことを覚えている。そう、あの頃は今みたいに日本製があったりはしなかったし、メタル御用達ブランドではなかったのだ。なんか今では非常に安っぽいメーカーになっちゃったけど。
国内メーカーでは海外メーカーに対抗してオリジナルでスルーネック&アクティブで頑張ってたのがアリアプロとグレコ。特に
Greco GOシリーズは価格も比較的高め設定でプロ・ミュージシャンも使ってたような気がする(誰かは思い出せないけど)。そういえば、新宿のKEY楽器オリジナルのGrecoスルーネックのフライングVとかもあったなあ、確か
KISSのエースに持たせてたような気がしたけど....。
と、こんな風に時代全体でスルーネックの嵐が吹き荒れていたが、あっという間に消えてしまって今や国産オリジナルで同様なギターはほぼお目にかかれない(多分、その後のカスタム・ギター連中(シェクターやムーンを筆頭)に駆逐されたのかな)。一体あのブームは何だったんだと不思議に思い返して見た。懐かしくも個性にあふれてた頃だったんだろうなあ。